銀行マン(バンカー)から教えてもらったこと

付き合いのある銀行マンに質問した。

「銀行は企業のどこをみているのですか・・・?」

昔、学生だった頃、教科書とは別に「傾向と対策」という参考書に助けてもらったように、ズバリ聞いておけばそれに対応できれば良いという安易な考えが動機・・・。会計上は初歩の初歩なのかもしれないが、実際に融資を行ったり、企業の融資の選別を判断する立場の人だから、非常に興味深い。今後の戒めのためにもいかにまとめておく。

特に力説していたのは、浪花節など関係なく、銀行にとっては、とにかく会社の「決算書」が大事だということ・・・。そのなかでも、銀行が重点的にチェックするのは、バランスシート〈貸借対照表〉と損益計算書の次の項目。

–(以下、銀行マンから聞いたことを整理しました)—————————————————

(1)バランスシート〈貸借対照表〉※B/S

①自己資本比率、流動比率、当座比率

この三つは一般的に安全性と言われていて、この会社は本当に借金を返せるのかどうかを見る指標

・自己資本比率

自己資本比率は、総資産のうち何%の自己資本があるかを示す、財務の安全性の指標です。借り入れが過大になってくるとどんどん下がっていきます。できれば30%を保つのが理想です。

・流動比率

流動比率は企業の1年以内の収支倍率を表す数値です。これで会社の短期的な支払能力がわかります。

流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債

・流動資産

流動資産とは現金、預金、受取手形、売掛金、1年以内に費用となる前払費用、1年以内に回収される未集金や立替金などが含まれます。流動比率が100%を切っていると危険な状態であり、一般的には200%あることが理想だといわれています。

・当座比率

当座比率は、会社の短期的な支払能力を流動比率よりも厳密に表す数値です。

当座比率(%) = (当座資産 ÷ 流動負債) × 100

・当座資産

当座資産とは、現金や預金、受取手形、売掛金、有価証券などを指します。当座比率は100%以上あることが安全性の目安といわれています。

②固定長期適合率

これも安全性の指標です。

固定資産のうち、どの程度が自己資本と長期の借入金で占められているかを示す指標です。長期の借り入れと設備投資がきちんと見合っているかどうかを判断します。

この指標が100%以上となった場合、固定資産を維持するために流動負債(支払期限が短い負債)に頼っていることになるので、資金繰りが厳しい状態だと考えられます。100%未満に抑えるのが理想です。

③借入月商倍率

これは、借入金の総額が1年間の売上の何か月分に相当するかを表す数字です。

この倍率は月商の6倍が限度だと言われています。お金を借りたいときの目安にもなり、たとえば月商が一千万円しかないのに五億円借りたいというのは無茶だと判断できます。

④債務償還年数

借金を何年かかって返せるのかを測る指標です。短ければ短いほど良いとされ、一般的には10年~15年くらいが許容範囲だと言われています。

事業再生をしている会社は、これが30年や40年ぐらいになっており、なかには60年になっている会社もあります。経営者が50代や60代の場合、あと30年返済が残っているなら、自分が生きている間に返しきるのは難しいでしょう。60年は次の代に持ち越すのは確定しています。後継者がいて、借金を引き継ぐなら話は別ですが、なかなかそういう人はいないでしょう。孫や子に借金を背負わせないために、自分の代で何とかしなければなりません

⑤有利子負債依存度

これは総資産に対する負債の依存度を表します。60パーセントくらいがいいと言われています。

(2)損益計算書 ※P/L

これらバランスシートの数値以外に、損益計算書の営業利益経常利益当期純利益減価償却費も判断材料にされています。

・営業利益

売り上げから売上原価販売費及び一般管理費を差し引いたもの

・経常利益

企業が決算期中に事業活動で上げた儲けのこと

・当期純利益

一定期間中にすべての経費や税金などの支払いを済ませたあとに残る利益

・減価償却費

固定資産の価値を、耐用年数によって案分した費用

–(以上、銀行マンから聞いたことを整理しました)—————————————————

若いころは、恥ずかしい話ですが、とにかくイケイケドンドンの拡大戦略一辺倒。しかし、最近つくづく思うのは「経営はバランス」だということ。

これからしばらくの間は、大手上場企業の事業の寡占化はますます進むのは明らかだし、技術の革新は多くの中小企業の仕事(事業)を奪っていくことは間違いない。さらに、地方では人口の流出高齢化率の上昇も顕著だし、そこに日本国債の信認が崩れ、タカが外れた金利上昇反転と急激な円高に見舞われれば、中小零細企業経営なんて吹けば飛ぶ・・・。

かといって、「下町ロケット」のような知的財産戦略など夢のまた夢・・・。結局、「経営はバランス」なのかもしれないとつくづく感じる。

では。

 

 

daihyo

投稿者プロフィール

地場の自動車ディーラーの株式会社ホンダクリオ徳島にて、営業・マーケティング・支店運営責任者を歴任。米国の先進的営業手法教育プログラムPSS(プロフェッショナル・セリング・スキル)を体得し、商圏が小さいにもかかわらず大都市圏のライバルを抑え、中四国地域販売台数トップセールスに5年連続輝く。平成2年家業大表建設株式会社(現社名:ダイヒョウ株式会社)に転職。専務取締役歴任後、代表取締役に就任。平成10年インターネットに出会い、日興証券のエンジェルキャピタルを得た株式会社アルファベティックアクション(現在、株式会社KSKアルパ)のシステム開発に参画する。以降、インターネットマーケティングの研究と各種携帯電話ソリューション事業を展開。2005年11月に、高齢者向け賃貸住宅コンサルティング、アパマン経営コンサルティングなどの各種コンサルティング事業を手がける有限会社ウェルライフ徳島を設立。同、代表取締役に就任。現在、全国のクライアントの個別コンサルティング及び小口不動産証券化ビジネススキーム構築のために全国行脚を積極的に展開中。昭和37年徳島県徳島市生まれ。血液型O型。

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