高齢者施設人口あたり整備率全国1位徳島県の高齢者住宅事情

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平成18年3月調査の65歳以上人口に対する介護施設等の整備状況を見ると、徳島県は72%で全国1位であり、医療療養病床の整備割合も突出して多い。

これは「施設」の話であり「住居」とは関係ないように思われるが、このような高整備率の地域で「高齢者住宅」を企画するとなると当然、医療機関や医療法人、社会福祉法人などとの競争は避けられない。

施設の在所者を要介護度別にみると、介護老人福祉施設では「要介護5」が32.3%、介護老人保健施設では「要介護4」が27.2%と最も多い。また、介護療養型医療施設では「要介護5」が54.0%と最も多く、在所者の5割を超えている。

高齢者の住まいは、その性格上、「ウォンツ(住みたい)」では集めにくい。「ニーズ(住まなければならない)」でなければ集まらない。

これから、人口ボリュームの大きな団塊世代が65歳以上になる。だから当然、「65歳以上の夫婦だけの世帯」と「65歳以上の1人暮らし世帯」は増加するのは間違いない。それを見込んで、人口あたり整備率全国一位の徳島県でも、さまざまな高齢者市場を狙った商品(住宅やサービス)が出てきている。

本来、高齢者は「自宅で最期を迎えたい」というニーズが強く、できれば施設などには入りたくはないと思っている。しかし、誰かの助けを借りなければ家事すらもできない状態になって初めて移住を考える。そう、元気な高齢者は自宅で生活を続けることを望む。

そのようなことを裏付けるような新聞広告と記事が徳島新聞に掲載された。

バブル期に建設され、その20年後に破たんしたビジネスホテル。競売で1億9千万円で誰も入札者がおらず、後日、9千万円でサイド競売で落札された物件。概算予測したリフォームが8千万円から1億円。その他の費用も含めて合計2億円程度の初期投資額。それが期日限定で「住んでいるあいだ家賃額0円」という広告(写真参照)。

「介護業者は入居者を囲い込むためにここまでするか?」というのが実感であるが、普通の賃貸物件であれば考えられない戦略である。

これを見て思い出されたのは、ソフトバンクのADSLや昔の携帯電話の拡販戦略。イニシャルコストを0にしてでも継続的収入で十分元が取れるのだろう。抜け目のない戦略である。

これを見ると、高齢者住宅だけを企画する大家さんより、介護事業者が企画する物件の方が価格競争力が出るように思われる。

 

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また、もう一つの記事である「空き家を小規模介護住宅に活用」という新聞記事。介護ヘルパーが同居し、介護および入居者の生活訓練をしながらの共同生活。月額1千円弱ということは月額3万円程度に家賃。さらにそれに食費4万円、管理費・水道光熱費1万円、介護保険の自己負担額4万円で合計12万円。たぶん地方ではこの程度が入居者負担の面で限界のような気がする。

最近、高齢者施設先進県である徳島では、食費・管理費込みで10万円を切る既存マンションなどのコンバージョン物件もちらほらと出てきている。ただし、あまりにも競争が激化すればするほど、国が報酬を決定する介護報酬であるためうまくいかない事業者も多数出てくるような気がする。やはり医療機関やその他の介護施設とリンクしていない限り、難しいのかもしれない。

ただ、空き家は増加し続けている。この歪をうまくビジネスモデル化する以外に、民間事業者にチャンスはないような気がする。

daihyo

投稿者プロフィール

地場の自動車ディーラーの株式会社ホンダクリオ徳島にて、営業・マーケティング・支店運営責任者を歴任。米国の先進的営業手法教育プログラムPSS(プロフェッショナル・セリング・スキル)を体得し、商圏が小さいにもかかわらず大都市圏のライバルを抑え、中四国地域販売台数トップセールスに5年連続輝く。平成2年家業大表建設株式会社(現社名:ダイヒョウ株式会社)に転職。専務取締役歴任後、代表取締役に就任。平成10年インターネットに出会い、日興証券のエンジェルキャピタルを得た株式会社アルファベティックアクション(現在、株式会社KSKアルパ)のシステム開発に参画する。以降、インターネットマーケティングの研究と各種携帯電話ソリューション事業を展開。2005年11月に、高齢者向け賃貸住宅コンサルティング、アパマン経営コンサルティングなどの各種コンサルティング事業を手がける有限会社ウェルライフ徳島を設立。同、代表取締役に就任。現在、全国のクライアントの個別コンサルティング及び小口不動産証券化ビジネススキーム構築のために全国行脚を積極的に展開中。昭和37年徳島県徳島市生まれ。血液型O型。

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コメント

  1. その通りですね。
     いずれにしても高齢化社会にすでに突入して
    いますね。 高齢者サービスを考えないビジネス
    モデルは考えられません。 事実、お金を持っているのは若者より、こつこつ働いてきた企業戦士の団塊世代のお年寄りですね。
     考えた賃貸経営が必要だと思います。

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